親の家をどうするか考え始めると、
「売るにしても、解体するにしても、まず建物の情報がいるらしい」
ということに気づく方が多いです。
不動産会社や解体業者に相談すると、
必ずといっていいほど「登記情報」と「間取り図」を聞かれます。
しかし実家の書類は、探そうと思ってもすぐには出てこないものです。
押し入れの奥や仏壇の引き出し、あるいはまったく別の場所に
しまわれていることも珍しくありません。
ここでは、実家の間取り図と登記情報を、
どこで・どのように調べればよいのかを整理します。
急いで全部そろえる必要はありません。
今できる範囲から、少しずつ確認していけば十分です。
まず何から手をつけるかの目安
この方法が向く場合:自分で調べられるところから始めたい場合。
登記情報は法務局やオンラインの登記情報提供サービスで比較的簡単に取得でき、
費用も数百円程度からで済みます。
まずはここから着手すると全体像がつかみやすくなります。
別の方法を検討したい場合:間取り図が見当たらない、
建物が古くて図面自体が残っていない可能性がある場合は、
無理に自分で探し続けるより、不動産会社や測量士に現況確認を
依頼したほうが早く進むこともあります。
なぜ売却や解体の前に建物情報が必要なのか
実家を売却する場合、不動産会社は登記情報をもとに
所有者や抵当権の有無、土地と建物の権利関係を確認します。
相続登記が済んでいない場合は、まずそちらの手続きが先になることもあります。
相続登記については実家の相続登記はいつまでに?義務化後の手続きで詳しく触れています。
解体を検討している場合は、間取り図や建物図面があると
見積もりの精度が上がりやすくなります。
延床面積や構造がわからないまま見積もりを取ると、
現地調査の段階で金額が大きく変わることもあるためです。
解体費用の目安については
実家を解体する費用の目安と更地にする判断もあわせてご覧ください。
登記情報の調べ方
登記情報を確認する方法はいくつかあります。
代表的なのは次の3つです。
- 法務局の窓口で「登記事項証明書」を請求する
- 法務局のオンライン申請システムで郵送請求する
- 「登記情報提供サービス」でインターネットから確認する
窓口や郵送で取得する登記事項証明書は、原本と同じ効力を持つ書類として
手続きにそのまま使えます。
一方、登記情報提供サービスで取得できるのは確認用のデータで、
証明書としての効力はありませんが、内容を早く把握したいときには便利です。
請求には、対象の不動産の地番や家屋番号が必要です。
地番は住所(住居表示)とは異なる場合があるため、
固定資産税の納税通知書に記載されている番号を手がかりにすると
調べやすくなります。
重要書類の探し方については実家の通帳や権利証など重要書類の探し方も参考になります。
間取り図の調べ方
間取り図は登記情報のように公的な窓口で一律に取得できるものではなく、
複数の可能性をあたって探していく形になります。
- 家の中に保管されている建築確認済証・建築確認申請図面一式
- 購入時やリフォーム時の契約書に添付された図面
- 建築を請け負ったハウスメーカーや工務店への問い合わせ
- 法務局に備え付けられている「建物図面」「各階平面図」
- 固定資産税の課税明細に記載された床面積の情報
古い家の場合、建築確認の記録自体が自治体や建築士事務所に
残っていないこともあります。
その場合は、法務局の建物図面で大まかな形状と面積を確認できることがあります。
ただし、法務局の図面は簡易なもので、
実際の間取りまでは記載されていない点には注意が必要です。
重要書類を探す過程で古い契約書や図面が出てくることも多いため、
実家で見つかる重要書類の見分け方と保管期間を参考にしながら、
片付けと並行して確認していくと効率的です。
図面が見つからない場合の考え方
どうしても間取り図が見つからない場合、
無理に一人で探し続ける必要はありません。
不動産会社に売却を相談する段階で、
現地調査によって概要を把握してもらうことも可能です。
解体を前提とする場合も、業者が現地で採寸することが一般的です。
正確な図面が絶対に必要というわけではなく、
「おおよその規模と構造がわかる」状態であれば、
次の段階の相談は進められることが多い、という点は
知っておいて損はありません。
| 入手方法 | 費用の目安 | 手間 | 得られる情報 |
|---|---|---|---|
| 法務局窓口・郵送請求 | 数百円程度 | やや手間(窓口は待ち時間あり) | 登記事項証明書・建物図面 |
| 登記情報提供サービス | 数百円程度 | 少ない(オンラインで完結) | 登記情報(証明力なし) |
| 建築確認図面・契約書探し | 費用はかからない | 見つかるまで時間がかかることも | 詳細な間取り図 |
| 不動産会社・解体業者の現地調査 | 相談・見積もり時は無料の場合が多い | 依頼すればあとは任せられる | 現況に基づく概要 |
- 登記簿上の住所(地番)と普段使う住所(住居表示)は異なる場合があります。
固定資産税納税通知書で確認すると調べやすくなります。 - 相続登記が未了の場合、売却の前提として登記手続きが必要になることがあります。
早めに状況だけでも確認しておくと、
後の見通しが立てやすくなります。 - 古い図面には現況と異なる増改築部分が反映されていないこともあります。
図面はあくまで参考情報として扱い、
最終判断は現地確認とあわせて行うと安心です。 - 書類を処分する前に、念のためコピーやスキャンを残しておくと、
後から必要になったときに困りにくくなります。
よくある質問
Q. 登記情報はインターネットだけで取得できますか。
登記情報提供サービスを使えば内容の確認はインターネットで可能です。
ただし、これは証明書ではないため、売買契約など証明力が必要な場面では
法務局発行の登記事項証明書が必要になります。
用途に応じて使い分けると無駄がありません。
Q. 間取り図がどうしても見つからない場合、
売却や解体はできませんか。
図面がなくても相談は可能です。
不動産会社や解体業者が現地調査を行い、
必要な情報を採寸などで補うことが一般的です。
図面探しに時間をかけすぎず、
並行して相談を進める方法もあります。
Q. 相続登記が済んでいるかどうかはどこで確認できますか。
登記事項証明書を取得すれば、
現在の所有者が誰として登記されているかがわかります。
まだ亡くなった親の名義のままであれば、
相続登記が未了である可能性が高いです。
詳しい手続きの流れは相続登記に関する記事もあわせてご確認ください。
Q. 空き家のまま放置していますが、
先に確認しておくべきことはありますか。
放置期間が長くなるほど、建物の状態や周辺への影響も気になりやすくなります。
登記情報や間取り図の確認とあわせて、
空き家の管理状況も一度見直しておくと、その後の判断がしやすくなります。
まとめ ― 建物情報は焦らず、できるところから確認を
登記情報は法務局や登記情報提供サービスで比較的手に入りやすく、
間取り図は家の中の書類やハウスメーカーへの問い合わせなど、
複数の手がかりから探していくことになります。
すべてがそろわなくても、不動産会社や解体業者への相談は始められます。
まずは手元にある書類を一つずつ確認するところから始めてみてください。
― 実家じまい手帖 編集部
