実家のドアを開けた瞬間、
足の踏み場がないほど物が積み重なっている光景に、
言葉を失った方もいらっしゃると思います。
親御さんが長年暮らしてきた家には、
新聞や紙袋、衣類、食品の空き容器などが
少しずつ積み重なっていくことがあります。
それは怠慢の結果というより、
体力や判断力が少しずつ落ちていく中で、
片付けだけが後回しになった結果であることが多いものです。
この記事では、物が溢れた実家をどこから片付けていくか、
作業の手順と優先順位を整理してご紹介します。
一度にすべてを解決しようとせず、
ご自身のペースで進める前提で読んでいただければと思います。
自分で進めるか、業者に頼むかの目安
この方法が向く場合:物量が部屋の一部にとどまっている、時間に比較的余裕がある、
思い出の品を自分の目で確認しながら分けたい場合は、
まず自分たちで手をつけてみる選択肢があります。
別の方法を検討したい場合:家全体に物が積み重なっている、床が見えない部屋が複数ある、
遠方に住んでいて何度も通えない、体力的に負担が大きい場合は、
早い段階で遺品整理業者や片付け業者への相談を検討する価値があります。
まず全体像をつかむ ― 一部屋ずつ確認する
物が溢れた実家では、まず「何がどれくらいあるか」を把握することから始めます。
すべてを一気に片付けようとすると、途中で心が折れてしまいやすいためです。
玄関から順に各部屋を見て回り、
・床が見えている部屋
・物が積み重なっている部屋
・立ち入りが難しい部屋
の3段階に分けてメモしておくと、後の計画が立てやすくなります。
全体の見取り図をざっくり書いておくのもおすすめです。
間取りの確認方法は実家の間取り図と登記情報の調べ方でも触れています。
手順① 安全な動線を確保する
最初に取り組むべきは、価値の選別ではなく「安全に歩ける道」をつくることです。
物が崩れてけがをしたり、火災時に逃げ道がふさがっていたりすると、命に関わります。
玄関から各部屋への通路、トイレや水回りへの動線を優先して空けます。
この段階では中身をじっくり確認する必要はなく、
明らかに劣化しているもの(古い新聞紙、空き容器、傷んだ食品など)を
大きな袋にまとめていく作業が中心になります。
作業前の道具や服装については実家の片付け前に用意する道具と服装を参考にしてください。
手順② 仕分けの優先順位を決める
動線が確保できたら、次は仕分けの優先順位を決めていきます。
すべてを「残す」「処分する」の二択にする必要はありません。
迷うものは「保留」という選択肢を用意しておくことが大切です。
優先順位の目安としては、次のような順番が進めやすいとされています。
- ①重要書類・貴重品(通帳、
権利証、印鑑など)を先に確保する - ②写真・アルバムなど、判断に時間がかかるものを別の場所にまとめておく
- ③明らかに劣化・破損している物を処分する
- ④残すか迷う物を「保留箱」に入れて後日改めて判断する
- ⑤家具・家電など大型の物は最後にまとめて搬出方法を決める
重要書類の見分け方は実家で見つかる重要書類の見分け方と保管期間、
写真の扱いについては実家の写真とアルバムをどうするで詳しく取り上げています。
手順③ エリアごとに進める順番
物が多い家ほど、部屋ごとに区切って進めることが有効です。
一般的には、次のような順番で取り組むと作業がしやすいと言われています。
- 玄関・廊下(動線の確保、来客時の第一印象にも関わる)
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)
- リビングなど、日常的に使われていた部屋
- 押入れ・クローゼットなど収納スペース
- 物置・納戸・庭など、物が滞留しやすい場所
押入れの中身は特に判断に迷う物が多く出てきます。
分け方の考え方は実家の押入れを整理するにまとめています。
全体の進め方をもう少し詳しく知りたい方は
実家の片付けはどこから始める?失敗しない手順も参考になります。
| 進め方 | 向いているケース | 費用感の目安 | かかる時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 自分たちで進める | 物量が一部にとどまる、時間の余裕がある | ごみ処分費用のみで比較的抑えられる | 数回の帰省で数週間〜数か月 |
| 業者に部分的に依頼 | 大型家具や大量ごみだけ任せたい | 数万円〜十数万円と幅がある | 数日〜1週間程度 |
| 業者にすべて依頼 | 時間がない、遠方在住、体力的な負担が大きい | 部屋数や物量により数十万円台まで幅がある | 1日〜数日 |
自分でやるか業者に頼むかの判断材料は
実家の片付けは自分でやるか業者に頼むかにも詳しくまとめていますので、
合わせてご確認ください。
- 物が積み重なった部屋では、
床下や隙間に虫や湿気が溜まっていることがあります。
マスクや手袋を用意しておくと安心です。 - 一人で無理をして進めると、
体力面・精神面の負担が大きくなります。
可能であれば家族や親族と分担することを検討してください。 - 「もったいない」「まだ使える」と感じる物は、
無理に処分を急がず保留箱に入れて構いません。 - 悪質な訪問買取・回収業者が声をかけてくることもあります。
契約前に見分け方を確認しておくと安心です。
一人で進める場合の限界については実家の片付けを一人でやる場合の限界と線引きで、
悪質業者の見分け方は悪質な不用品回収業者の見分け方と断り方で確認できます。
Q.どこから手をつければいいか、まったく分かりません。
まずは全体を見て回り、部屋ごとの物量をメモすることから始めてみてください。
すべてを一度に片付けようとせず、
動線の確保から始めると気持ちの負担が軽くなります。
Q.物が多すぎて自分たちだけでは無理だと感じています。
その感覚は自然なものです。
部分的にでも業者に依頼することで、
負担を大きく減らせる場合があります。
見積もりを複数取って比較することをおすすめします。
Q.どのくらいの期間で片付けられますか。
物量や作業できる時間によって大きく変わります。
目安としては数週間から数か月かかることも珍しくありません。
無理のないスケジュールを立てることが大切です。
Q.大型の家具やごみはどう出せばいいですか。
自治体の粗大ごみ収集を利用する方法と、
業者にまとめて搬出を依頼する方法があります。
物量が多い場合は業者利用のほうが手間を減らせることがあります。
粗大ごみの出し方は実家の粗大ごみを出す手順と自治体の使い分けで、
全体のスケジュール感は実家の片付けにかかる期間の目安とスケジュールの立て方で確認できます。
まとめ ― 編集部より
物が溢れた実家の片付けは、まず安全な動線を確保し、
重要書類や思い出の品を見分けながら、無理のない範囲で進めていくことが基本になります。
すべてを一度に判断する必要はなく、保留という選択肢を残しながら、
\ご自身と家族のペースで少しずつ進めていただければと思います。
次の一歩として、まずは全体の物量を把握するところから始めてみてください。
― 実家じまい手帖 編集部
