実家の解体業者の選び方|許可・登録と契約前に確認する書類

実家の解体業者の選び方|許可・登録と契約前に確認する書類

実家を解体すると決めても、
どの業者に頼めばよいのか、
何を基準に選べばよいのか分からない――
そう感じる方は少なくありません。

チラシやインターネットの広告には、
安さを前面に出した業者も多く並びます。
ですが解体工事は、建物を壊すという
取り返しのつかない工事です。
価格だけで決めてしまうと、
あとから追加費用やトラブルに
発展することもあります。

この記事では、解体業者が適法に
工事を行える業者かどうかをどう確認し、
契約前にどんな書類を見ておけばよいかを
整理してお伝えします。
急いで決める必要はありません。
落ち着いて材料をそろえてから
判断していただければと思います。

業者選びで確認書類を重視すべき場合の目安

この方法が向く場合: 見積もりが1社しかない、
価格差の理由が分からない、初めて解体工事を頼む、
建物の規模が大きい・古い(アスベストの可能性がある)といった場合は、
許可・登録と契約書類をしっかり確認してから進めることをおすすめします。

別の方法を検討したい場合: 既に信頼できる知人の紹介がある、
地元で長年営業している業者と付き合いがある、
といった場合は、その関係性を優先しつつ、
この記事の確認項目を最低限のチェックとして使っていただいても構いません。

まず確認したい「許可」と「登録」の違い

解体工事を営業するには、
主に2つの制度のいずれかを
満たしている必要があります。

一つは「解体工事業の登録」です。
請負代金が500万円未満の工事を
行う業者は、都道府県知事への
登録が義務づけられています。
これは建設業許可を持たない
小規模な業者でも取得できる制度です。

もう一つは「建設業許可(解体工事業)」です。
請負代金が500万円以上になる工事は、
この許可を持つ業者でなければ
請け負うことができません。
実家一軒の解体でも、規模や立地の
\ 条件によっては500万円を超えることが
あるため、金額が見えてきた段階で
どちらの区分に当てはまるかを
業者に確認しておくとよいでしょう。

どちらの制度も、都道府県のホームページで
業者名を検索して確認できます。
見積もりを取る前、あるいは
契約前の早い段階で、登録番号や
許可番号を教えてもらい、
自分の目で確かめておくと安心です。

産業廃棄物の収集運搬許可も確認する

解体で発生する木くずやコンクリート片は、
産業廃棄物として法律で処理方法が
定められています。
解体業者自身が廃棄物を運ぶ場合は、
「産業廃棄物収集運搬業許可」が
別途必要です。

解体工事の許可・登録があっても、
この収集運搬の許可を持たず、
下請けや提携業者に任せている
ケースもあります。
それ自体は違法ではありませんが、
誰が廃棄物を運び、どこで
処分するのかを見積もり時に
確認しておくと、後々の疑問や
不安を減らせます。

契約前に見せてもらいたい書類

許可・登録の確認に加えて、
契約前には次のような書類を
見せてもらうことをおすすめします。
一度にすべてをそろえるのが難しくても、
順番に確認していけば大丈夫です。

  • 見積書(内訳が明示されたもの)
    解体工事費、廃棄物処分費、諸経費などが「一式」で
    まとめられていないか確認します。
    内訳が細かく書かれているほど、後からの追加請求が起きにくくなります。
  • 建設業許可証・解体工事業登録通知書の写し
    許可番号・登録番号が記載されているか、有効期限が切れていないかを見ます。
  • 建設リサイクル法に基づく届出書(控え)
    床面積80平米以上の建物解体では、工事着手の7日前までに
    都道府県・市町村へ届出が必要です。
    誰が届出を行うか(施主か業者か)を確認しておきます。
  • アスベスト事前調査の結果報告書
    築年数が古い建物では調査が義務化されています。
    調査済みか、これから行うのかを契約前に確認します。
  • 工事請負契約書
    工期、金額、支払い条件、追加工事が
    発生した場合の扱いが明記されているかを確認します。
  • 損害保険(工事保険・賠償責任保険)の加入証明
    工事中に隣家や通行人に損害を与えた場合の補償体制があるかどうかです。

アスベスト調査については
古い実家の解体前にアスベスト調査は必要?見積もり時に確認すること
で詳しく取り上げています。
築年数が古い実家の場合は
合わせて確認しておくと安心です。

見積書の内訳が「一式」だらけで
分かりにくいと感じたときは、
解体工事の見積書に「一式」が多いとき|契約前に内訳を確認する方法
も参考になります。

相見積もりで比較する視点

解体費用は建物の構造、立地条件、
重機の搬入経路、地中埋設物の有無などで
幅が生まれます。
1社だけの見積もりでは、その金額が
妥当な範囲なのか判断がつきにくいため、
複数社から見積もりを取ることを
おすすめします。

費用の相場感については
実家を解体する費用の目安と更地にする判断
でも整理していますので、
見積もりを比較する前の下調べとして
ご覧いただけます。

確認項目 確認方法 見るポイント
解体工事業登録・建設業許可 都道府県のホームページで検索 番号の一致、有効期限
産業廃棄物収集運搬業許可 業者に直接確認・許可証の写し 自社対応か下請け対応か
建設リサイクル法の届出 届出書の控えを確認 着工7日前までの提出
見積書の内訳 項目ごとの金額を確認 「一式」表記の有無
工事保険の加入 加入証明書を確認 賠償責任の補償範囲
  • 極端に安い見積もりは、廃棄物の不法投棄など、
    後から発覚するリスクを含んでいる場合があります。
    金額だけでなく内訳と根拠を確認しましょう。
  • 近隣への挨拶や工事中の騒音・振動対策についても、
    契約前に業者の方針を聞いておくとトラブルの予防になります。
  • 解体後は建物滅失登記の手続きが必要です。
    誰がいつまでに行うかも合わせて確認しておくと安心です。
  • 自治体によっては解体費用の補助金制度があります。
    工事契約前に申請が必要な場合が多いため、
    早めの確認が望ましいです。

近隣への挨拶の範囲や伝える内容については
実家の解体工事前の近隣挨拶|範囲と伝える内容、トラブルの防ぎ方
で具体的にまとめています。

補助金の申請タイミングについては
空き家の解体補助金はいつ申請する?工事を頼む前に確認する順番
を、解体後の登記手続きについては
実家を解体した後の建物滅失登記|申請前に確認する書類と窓口
をご覧ください。

Q. 解体工事業の登録も建設業許可もない業者に頼んでも大丈夫ですか?

どちらも持たない業者が解体工事を請け負うことは、
原則として認められていません。
見積もりの段階で登録番号・許可番号を確認し、
都道府県のサイトで実在するかどうかを照合することをおすすめします。

Q. 見積もりが「一式」でまとめられていたら断るべきですか?

断る必要はありませんが、内訳を明示してもらえるかを
聞いてみることをおすすめします。
誠実な業者であれば、費目ごとの説明に応じてもらえるはずです。
説明を避けられる場合は、
他社と比較する材料にしてください。

Q. 何社くらいから見積もりを取ればよいですか?

2〜3社程度から取ると、
価格や内訳の違いが比較しやすくなります。
ただし数を増やすこと自体が目的ではなく、
各社の説明が納得できるかどうかを重視していただければと思います。

Q. 家財がまだ残っている状態でも見積もりは取れますか?

はい、可能です。
ただし家財の量によって解体費用や作業日数が変わることがあるため、
事前にどの程度片付けておくべきか業者に確認しておくとスムーズです。
解体前の準備の進め方は別記事でも整理しています。

まとめ ―

解体業者選びで大切なのは、
価格の安さだけでなく、
許可・登録の有無と契約前の書類を
一つひとつ確かめることです。
登録番号や許可証、見積もりの内訳、
届出書の控えなど、確認できるものは
意外と多くあります。

すべてを一度に判断する必要はありません。
分からない点は業者に質問し、
納得できるまで比較してから
契約を進めていただければと思います。

― 実家じまい手帖 編集部

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