実家の駐車場やガレージに、
何年も動かしていない車やバイクが
そのまま残っていることがあります。
親が施設に入った、あるいは亡くなった後、
車検が切れていることに気づいて
「これ、どうすればいいのだろう」と
手が止まってしまう方は少なくありません。
ナンバーが付いたままの車を
放置しておくと、税金の通知が届き続けたり、
近隣から見た印象が悪くなったりすることもあります。
かといって、急いで処分先を決める必要はありません。
まずは状況を整理するところから始めましょう。
この記事で扱う判断の目安
この方法が向く場合: 車検切れで動かない、名義が親のままになっている、
まとまった手続きの時間が取れない、まずは全体像を把握したい。
別の方法を検討したい場合: すでに廃車手続きに詳しい家族がいる、
動く状態で査定を先に受けたい、複数の車両をまとめて相談したい。
まず確認すること:名義と車検証
処分の方法を決める前に、
名義が誰になっているかを確認します。
車検証(自動車検査証)は、車内のダッシュボード付近や、
実家の書類が入っている引き出しに
保管されていることが多いです。
名義が親のままの場合、
相続の手続きを済ませてからでないと
売却や廃車の手続きが進められないことがあります。
重要書類の探し方については
実家で見つかる重要書類の見分け方と保管期間で
詳しく触れていますので、あわせてご覧ください。
相続が絡む場合は、遺産分割協議書や
戸籍関係の書類が必要になることもあります。
この部分は焦らず、必要であれば
専門家に相談しながら進めて構いません。
車検切れの車は「一時抹消」か「永久抹消」か
車検が切れて長期間動かしていない車には、
主に二つの手続きの選択肢があります。
「一時抹消登録」は、車を一時的に
公道で使わない状態にする手続きです。
ナンバープレートを返納し、税金の対象から外れますが、
再登録すればまた乗れる状態を残せます。
将来的に手放すか迷っている場合は、
こちらを選ぶ方もいます。
「永久抹消登録」は、車を解体することを前提にした
手続きです。原則としてこちらを選ぶと
再登録はできません。
完全に手放す方針が固まっている場合に選ばれます。
どちらの手続きも、車検が切れていても
ナンバーが付いていれば行うことができます。
「車検切れだから何もできない」ということはありません。
誰に頼むか:自分で手続きするか、業者に任せるか
手続きは大きく分けて、
自分で運輸支局に出向いて行う方法と、
廃車買取業者や解体業者に依頼する方法があります。
自分で行う場合は費用を抑えられますが、
車を運輸支局まで運ぶ手間や、
書類をそろえる手間がかかります。
動かない車の場合は、レッカーの手配も必要になります。
業者に依頼する場合は、
引き取りから抹消登録の手続きまで
代行してもらえることが多く、
動かない車でもそのまま任せられるのが利点です。
車の状態によっては、買取金額がつくこともあります。
ただし、業者選びには注意が必要です。
見積もりの内容や、抹消登録の証明書を
きちんと発行してくれるかどうかは
事前に確認しておきたいところです。
業者選びの考え方は
悪質な不用品回収業者の見分け方と断り方も
参考になります。
バイクの場合の違い
バイクも基本的な考え方は車と同じですが、
排気量によって手続き先が異なります。
125cc以下の原付・軽二輪は市区町村の窓口、
それを超える排気量のバイクは
運輸支局での手続きになります。
どちらに該当するかは、
ナンバープレートの形や車検証で確認できます。
長年放置されたバイクは、
エンジンがかからない状態のことも多いですが、
部品取りやパーツとしての需要がある場合もあるため、
廃棄する前に一度査定を受けてみる価値はあります。
| 処分方法 | 費用感の目安 | 手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 自分で運輸支局へ持ち込み | 数千円程度〜(書類費用のみ) | 多い | 車が動く、時間に余裕がある |
| 廃車買取業者に依頼 | 無料〜買取額がつく場合あり | 少ない | 動かない車、手続きを任せたい |
| 解体業者に直接依頼 | 費用がかかる場合あり | 少ない | 状態が悪く買取が難しい車 |
| ディーラーの下取り | 新車購入時に相殺されることが多い | 少ない | 乗り換えを検討している家族がいる |
費用や買取額は車種や状態、
地域によって幅があります。
表はあくまで目安として、
実際には複数の見積もりを比較することをおすすめします。
- 自賠責保険や任意保険の解約・返金手続きも忘れずに行う。
- 車検証・自賠責保険証明書・印鑑登録証明書など、
必要書類は事前にそろえておくと手続きがスムーズになる。 - 名義が親のままの場合、
相続の手続きが先に必要になることがある。 - 敷地内に長く放置された車は、バッテリーやオイルが漏れていることがあるため、
業者に依頼する前に状態を伝えておく。 - ナンバープレートの返納を忘れると、
税金の請求が続く場合がある。
よくある質問
Q. 鍵が見つからないのですが、手続きはできますか。
鍵がなくても抹消登録の手続き自体は可能です。
ただし、業者に引き取りを依頼する場合は、
事前に鍵がない旨を伝えておくと、当日の作業がスムーズになります。
Q. 名義変更をせずに廃車にすることはできますか。
相続などで名義人が亡くなっている場合、
原則として名義変更(相続の手続き)を済ませてから
廃車手続きに進む必要があります。
書類の準備に時間がかかることもあるため、
早めに確認しておくと安心です。
Q. 長期間放置した車でも買取額がつくことはありますか。
年式や状態、車種によっては部品や金属としての価値が認められ、
買取額がつく場合があります。
まったく期待できないと決めつけず、
一度見積もりを取ってみるのも一つの方法です。
Q. とりあえず今は判断できません。
放置しておいても大丈夫でしょうか。
すぐに手続きをしなければ罰則があるわけではありません。
ただし、税金の通知が届き続けたり、敷地の管理に影響したりすることがあるため、
状況が落ち着いたタイミングで一度確認しておくことをおすすめします。
空き家全体の管理については
空き家になった実家を放置するとどうなるかもあわせてご覧ください。
まとめ ―
実家に残された車やバイクは、
名義の確認と、一時抹消か永久抹消かの選択が
最初の分かれ道になります。
自分で手続きするか業者に任せるかは、
時間的な余裕や車の状態に合わせて選んで構いません。
すぐに答えを出す必要はありません。
まずは車検証を探し、名義を確認するところから
始めてみてください。
名義の整理が必要な場合は、
相続の手続き全体を扱った
実家を相続したら必要になる登記手続きの流れも
参考にしていただけます。
また、車以外の片付けを含めた全体の進め方は
実家の片付けはどこから始める?失敗しない手順で
確認できます。
― 実家じまい手帖 編集部
