親の家を片付けていると、古いエアコンがそのまま残っていることがよくあります。
何十年も前から動き続けてきた機種で、今さら電源を入れる人もいない。
それでも壁に付いたままでは、実家の売却や解体、
賃貸活用のどれを選ぶにしても前に進めません。
エアコンは家電リサイクル法の対象品目であり、
燃えるごみや粗大ごみとして自治体に出すことができません。
取り外しにも専門の作業が必要で、思い立ってすぐ処分できるものではないという点が、
他の家財と少し違うところです。
この記事では、実家のエアコンを取り外して処分するまでの手順と、
費用の目安、判断の材料を整理してお伝えします。
自分で手配するか、業者にまとめて任せるか
この方法が向く場合: エアコンだけを外して処分したい、
地元の電器店やエアコン専門業者に依頼する時間の余裕がある、
他の家財の片付けは別に進めている場合。
別の方法を検討したい場合: 家財一式の片付けと合わせて片付けたい、
遺品整理業者や不用品回収業者にまとめて依頼したい、
取り外し作業まで自分で手配する余力がない場合。
エアコンは家電リサイクル法の対象品目
エアコンは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機と並んで家電リサイクル法の対象になっている家電です。
そのため、自治体の粗大ごみ収集や燃えないごみとして出すことはできません。
処分するには、リサイクル料金を支払ったうえで、指定の引取場所に運ぶか、
収集運搬を業者に依頼する必要があります。
リサイクル料金はメーカーや機種によって幅があり、
おおむね数千円程度が目安とされています。
これとは別に、取り外し作業の費用と、
収集運搬の費用がかかる点も押さえておく必要があります。
家電リサイクル法の対象品目については、
家電リサイクル法の対象品目と実家の家電の処分手順でも詳しく触れています。
取り外しから処分までの流れ
実家のエアコンを処分するまでの流れは、おおよそ次のようになります。
どの段階で誰に依頼するかによって、かかる時間も費用も変わってきます。
- 取り外し業者を決める(電器店、
エアコン専門業者、不用品回収業者など) - 取り外し作業を依頼する(室外機と室内機の両方を外してもらう)
- リサイクル料金を確認し、支払方法を決める(現金・郵便局振込など業者による)
- 収集運搬を依頼し、指定引取場所まで運んでもらう、
または自分で持ち込む
取り外し作業には、冷媒ガスを回収する「真空引き」という工程が必要です。
これを省いて無理に配管を外すと、ガスが漏れて危険な場合があるため、
資格を持つ業者に任せるのが基本になります。
DIYでの取り外しは推奨されていません。
依頼先ごとの特徴
エアコンの取り外し・処分は、依頼先によって手間や費用感が変わります。
他の家財の片付けと同時に進めたいのか、
エアコンだけを片付けたいのかで、選び方も変わってきます。
家電量販店・電器店
購入時の店舗や近所の電器店に依頼する方法です。
新しいエアコンへの買い替えとセットで対応してくれることも多く、
単体での取り外しのみを受け付けているかは店舗によって異なります。
エアコン専門の取り外し業者
取り外しと処分だけを専門に扱う業者もあります。
買い替えを伴わない場合はこちらの方が相談しやすいことがあります。
不用品回収業者・遺品整理業者
エアコン以外の家財もまとめて片付けたい場合は、これらの業者に依頼する方法もあります。
ただし家電リサイクル法対象品を扱うには許可が必要なため、依頼前に確認しておくと安心です。
業者選びの注意点は悪質な不用品回収業者の見分け方と断り方にまとめています。
| 依頼先 | 費用感の目安 | 手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 家電量販店・電器店 | 取り外し費用+リサイクル料金+収集運搬費 | 少ない | 買い替えと同時に処分したい場合 |
| エアコン専門業者 | 取り外し費用+リサイクル料金+収集運搬費 | 少ない | エアコンだけを処分したい場合 |
| 不用品回収・遺品整理業者 | 他の家財と合わせた一式料金になることが多い | 少ない(一括で依頼できる) | 家財全体をまとめて片付けたい場合 |
| 自分で指定引取場所へ持ち込み | リサイクル料金のみ(取り外しは別途手配が必要) | やや多い | 車があり運搬の手間を惜しまない場合 |
費用は機種の種類やサイズ、地域、依頼先によって幅があります。
提示された金額の内訳が、取り外し費用・リサイクル料金・収集運搬費の
どれに当たるのか、事前に確認しておくと安心です。
複数社の見積もりを取って比べる方法は、
実家の片付けで見積もりを取る手順と比較のしかたで紹介しています。
残す・保留するという選択肢も
実家のエアコンは、必ずしもすぐに処分しなければならないものではありません。
家をしばらく空き家のまま管理する予定であれば、
電源を落とした状態で残しておくことも一つの選択です。
実家を貸したり売却したりする際に、
買主や借主が使えるエアコンとして評価されることもあります。
反対に、古くて動作が不安定な機種や、長年掃除をしていない室内機は、
そのまま残すと後々の負担になることもあります。
実家の今後の方向性がまだ決まっていない場合は、
無理に急いで結論を出さず、片付け全体のスケジュールの中で考えても遅くありません。
実家の片付け全体の進め方は
実家の片付けはどこから始める?失敗しない手順を参考にしてください。
- エアコンの取り外しは冷媒ガスの回収作業を伴うため、
資格を持つ業者に依頼するのが基本です。 - 家電リサイクル法対象品を無許可で回収する業者とのトラブルが報告されています。
契約前に許可の有無を確認しましょう。 - 室外機の設置状況(高所、狭い場所など)によっては、
追加費用が発生することがあります。 - 取り外し後の壁の穴や配管跡は、そのまま残ることが多いため、
売却や賃貸を予定している場合は補修の要否も併せて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. エアコンを自分で取り外して粗大ごみに出すことはできますか。
家電リサイクル法の対象品目であるため、
自治体の粗大ごみとして出すことはできません。
取り外し自体も冷媒ガスの回収が必要な作業のため、
専門業者への依頼が基本になります。
Q. 動かないエアコンでもリサイクル料金はかかりますか。
動作しない場合でも、対象品目である以上はリサイクル料金がかかります。
故障の有無によって料金が変わることは基本的にありません。
Q. 古いエアコンでも買取してもらえることはありますか。
製造年数が新しく動作状態が良いものであれば、
買取の対象になることもあります。
ただし多くの家庭用エアコンは処分費用がかかる前提で考えておくのが現実的です。
買取と回収の違いは買取業者と不用品回収業者の違いと使い分けで説明しています。
Q. エアコン以外にも実家に危険物が残っている場合はどうすればよいですか。
塗料や農薬、灯油などの危険物は、
家電とは別の手順で処分する必要があります。
詳しくは実家の塗料や農薬など危険物の処分をご覧ください。
まとめ ― 実家のエアコンは、急がず手順を踏んで処分を
実家のエアコンは家電リサイクル法の対象品目であり、
取り外しにも専門の作業が必要です。
依頼先によって費用感や手間が変わるため、
他の家財の片付けと合わせて進めるのか、
エアコン単体で片付けるのかを整理してから業者を選ぶと、
無駄な手間を減らせます。
実家の今後の使い方が決まっていない場合は、無理に処分を急ぐ必要はありません。
まずは室外機と室内機の状態を確認し、
必要であれば見積もりを取るところから始めてみてください。
― 実家じまい手帖 編集部
